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新聞社説読み比べ part3 ~入国禁止の大統領令に連邦控訴裁が政権側の不服申し立て退ける~

その日、同じテーマで論じた各新聞社の社説を比べ、分析してみる。

不定期更新のコーナー


今回注目したのは、2017年2月11日の社説テーマ・・・

入国禁止の大統領令に連邦控訴裁が政権側の不服申し立て退ける

アメリカで7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令の即時停止を命じた仮処分の決定について、連邦控訴裁判所は9日、トランプ政権側の不服申し立てを退ける決定を出した。

裁判所は決定の中で、大統領令が急を要するテロとの戦いが目的であることは認めるとした一方で、政権側は取り返しのつかない損害を避けるために仮処分の決定の取り消しが必要だということを証明しておらず、大統領令にある7か国の人がアメリカ国内でテロを起こしたという証拠も示していないと指摘。

ワシントン州側については、もし一時的にでも大統領令が有効になった場合、州やそのほかの組織に与えるであろう多大な損害について十分な証拠を示していると評価した上で、今回の決定は審理を行った判事3人の一致した見解だとしている。

今回の判断で、大統領令の一時停止の措置は継続されることになり、7か国の人たちの入国は引き続き認められることになる。

このニュースについて、読売、毎日が同日の社説テーマとして取り上げられていたので比較してみる。

読売新聞の見解

トランプ米大統領の強権的な政治手法に対し、司法が待ったをかけたと言えよう。

国家の安全保障に関する問題について、大統領は不可侵の権限を持つわけでわなく、行政、立法、司法の三権分立は尊重されるべきであると厳しいメッセージが政権に送られた。

しかし、問題なのはトランプ氏がツイッターなどで司法判断を繰り返し、具体的な根拠を挙げずに、テロの脅威を煽っていることだ。

差し止めを決定した地方裁判官を「馬鹿げている」と貶め、「危険な悪人が米国に殺到してくるだろうと」と発信し、「何かが起きたら、彼と裁判制度を責めろ」とも言い放った裁判官に対する執拗な個人攻撃は異様である。

一連の言動からは、「裁判所は政権の立場に沿った決定を下すべきだ」という傲慢な考え方が透けて見え、司法のど独立を理解していないということだろう。

入国制限を巡っては、反対意見が過半数を占める世論調査も出ている。

自ら不利な調査結果や報道を「フェイク(偽)」と切り捨てていては、社会の分断の解消につながるまい。

発足から間もないことを差し引いても、トランプ氏の政権運営には、稚拙さが目立つ。

支持層に向けて、既存制度の破壊を「成果」として誇示する戦術も再考する時ではないか。

毎日新聞の見解

米国の司法がトランプ大統領の暴走を止めた格好である。

大統領令自体がいかにも拙速で乱暴だったからだ。

特定の国々の対象に突然ビザを無効にすれば世界が混乱するのは当然である。

そんな状況が目に見えているのに大統領令は強行された。

今回、裁判所が行政命令の適法性を判断するのは当然だという控訴裁の見解は、極めて常識的である。

どうやら、トランプ大統領は司法より大統領の意思が優先すると考えているらしい。

三権分立に対する根本的な誤解がありそうだ。

とはいえ、世論調査で大統領令を支持する米国民も少なくなかったことは、移民や難民とテロをめぐる問題の難しさを物語る。

2001年の米同時多発テロ以来、米国民は自分たちの安全を考え続け、今なお揺れているのだろう。

だが、米国内のテロ予備軍も多いとされる中、やみくもにイスラムの世界に門戸を閉ざすのは正しい道とは思えない。

多様な意見に基づいて出直すべきである。

拙速な大統領令にこだわって法廷闘争を続けても、米国の孤立と国内外の分断は進むばかりだ。

まとめ(個人的な感想も含む)

大統領令に「待った」を連邦控訴裁がかける自体異例のことであるし、大統領が司法に突っ込んで勝負するのも異例中の異例。

異例だらけの米国ですが、果たして各紙どの様に見解を述べているか比較してみる。

  • 2紙の共通見解

今回も共通見解の部分が多いので、順に紹介していきます。


(1)米国の司法がトランプ大統領の政治手法を止める

各紙、冒頭の文章表現が少し異なりますが、書いている意味は変わりません。

これを両紙冒頭に示していることに、司法がストップをかけたこと自体に通常では有り得ないことが起きていると伝わる一文だと感じる。

私も、こんなの当然であると思う反面、過去に司法が大統領に向かって待ったをかけることなんてあったのか?と疑問に思って調べてみると・・・

司法が待ったという大統領令の記述が無い。

しかし、過去には物議を醸した大統領令がありました。

それは、1861年7月2日リンカーン大統領が発令した「による人身保護令状の差し止め」を命じていました。

しかし、憲法上では「人身保護令状の差し止めを出来るのは、連邦議会のみ」と規定されていました。

ただし、この時期はちょうど南北戦争が始まったばかりであり、緊急の措置とは言え物議をかもしたものであります。

そして、もう一つ1942年2月19日フランクリン・ルーズベルト大統領が発令した「防衛のための強制移動の権限」。

この大統領令は、前年12月7日に日本が真珠湾を攻撃したことにより日米が開戦状態となり、諜報活動や軍事活動妨害の阻止を目的として発令された。

特定地域を軍管理地域に指定された地域の罪のない日系人の立ち退きを実施し、約10万人以上が強制収容所収監された。

しかし、強制収容所に移るのを拒否した日系人の一人が逮捕され、逮捕の正当性について裁判が行われた。

その結果、特定の人種集団から市民的自由を奪うことに対して疑念を示しながら、この強制収容について「軍事的必要性」を認めた。

後に、大統領の自由裁量権について問題を突きつけた形となりました。

それが、今回のトランプ氏についても自由裁量権の範囲について、司法がどこまで待ったをかけられるかが注目されました。

ただし、過去2つについては共に戦争中であったための特殊な事情がありますが、今回は特殊な事情がない状況でこの様なことになっているのは、やはり「異例」と言って良いかもしれません。

(2)大統領令自体が拙速で乱暴で、裁判官に対する執拗な個人攻撃は異様である
読売は裁判官の個人攻撃に違和感を持っているのに対し、毎日は大統領令自体が乱暴であり、控訴裁の見解は極めて常識的であると述べている。

表現と視点が少し異なる部分もあるが、最終的に両紙この様に結論を出している。

(3)三権分立(司法の独立)に対する根本的な誤解
読売はトランプ氏の傲慢な考え方から「司法の独立を理解していない」と論じ、毎日は司法より大統領の意思が優先すると考えているらしく三権分立に対する根本的な誤解がありそうだ」と論じている。

もしかして、トランプ氏は「三権分立」を知らないのではと醸し出している文章である。

実際にありえそうで怖い部分もあるが、三権分立は中学校でも習うものであり、中学生の基本レベルのことすら知らない人が大統領になってしまったのかと感じる部分がある。

トランプ氏のネガティブキャンペーンが多すぎるかも知れないし、この機会に1から習うのも良いかもしれないが、混乱は必須であることには間違いない。

ただ、両紙はこんなことも理解していないのかとびっくりしているとも読み取れます。

(4)米国内の世論調査
両紙同じことを書いているように見えて、若干意味が変わっている部分があるので取り上げてみました。

今回の入国制限を巡る世論調査について、読売は「反対意見が過半数を占める」と表現する反面、毎日は「大統領令を支持する米国民も少なくなかった」と表現しています。

この違いに違和感を感じたので実際に調べてみました。

この世論調査について各メディア等が独自に調査した結果を見つけたのでご紹介します。

・ロイター通信の調査
賛成:49% 反対:41%

・ギャラップ社の調査
賛成:42% 反対:55%

・CNNの調査
賛成:47% 反対:53%

・上記3社平均
賛成:46% 反対:50%

ん?読売が書いている様な反対意見が過半数を占めているようには見えません。

ほぼ同等ではないのかなと思う次第です。

毎日が書いたような「大統領令を支持する米国民も少なくなかった」ことは、この調査を見る限りほぼ事実であることが分かると思います。

読売の表現が少し行き過ぎている感じもします。

この後、毎日はこのように記している。

「移民や難民とテロをめぐる問題の難しさを物語る。2001年の米同時多発テロ以来、米国民は自分たちの安全を考え続け、今なお揺れているのだろう。」

これが、アメリカ国内の本心であり、分断している要因の一つにもなり得る材料であると感じます。

ここまで両者拮抗していると本当に1つの国をまとめることが出来るのか?疑問に思うこともありますし、一つにまとまっても蟠りが残ってしまいかねない難しい状況になっていることは間違いありません。

本当は、トランプ氏が両者の意見を受け入れることから始めなければならないと思いますが、当の本人がそんなことする気がさらさら無いのは今までの言動から見ても分かることです。

これが、ヒラリー・クリントンになっても、オバマ大統領が3期目にもし入ったとしても状況は変わらず、難しい判断を迫られることになるのは予想できます。

(5)テロの脅威
両紙テロの脅威について述べている部分があります。

しかし、その驚異となっている視点が若干異なったいるのを紹介します。

ますは、読売。

読売は、ツイッター等で司法批判を繰り返し、具体的な根拠を挙げずに、テロの脅威を煽っていると記されてあり、テロの対象が書かれていません。

しかし、毎日では米国内のテロ予備軍も多いとされる中、やみくもにイスラムの世界に門戸を閉ざすのは正しい道とは思えないと記しています。

毎日では対象が自国内のテロ予備軍。

つまり、ホームグロウン・テロの脅威を恐れている部分があると感じます。

したがって、イスラム圏の人を入国制限してもテロ対策として意味がないというのも一理あるのかなと感じます。

  • 最後に・・・

今社説の締めとしてトランプ政権に向けてこんなメッセージがあります。

読売は、発足から間もないことを差し引いても稚拙さが目立つ。戦術も再考する時ではないか。

毎日は、多様な意見に基づいて出直すべきである。大統領令にこだわって法廷闘争を続けても米国の孤立と国内外の分断が進むばかりだ。

両紙とも再考と出直しを要求しています。

政権発足からまだ一ヶ月経っていないのに、ここまで暴走するのも前代未聞ですが、ここで方向転換を求めてもトランプ氏のプライドが許さないであろうと感じます。

しかし、今回の大統領令の賛否もほぼ半々であることも加味して本当に米国内の分断がかなりの速度で進んでいると感じます。

本当にどうなることやら、今後の動向に注目しなければいけない時期であることは確実です。

新聞社説読み比べ part2 ~トランプ米大統領の円安誘導批判~

その日、同じテーマで論じた各新聞社の社説を比べ、分析してみる。

不定期更新のコーナー


今回注目したのは、2017年2月2日の社説テーマ・・・

トランプ氏、日本による円安誘導を批判

31日米トランプ大統領は、米国内の企業幹部との会合で「他国は資金供給と通貨切り下げで有利な立場をとってきた。中国や日本は何年も通貨安誘導を繰り広げている」と日本の為替政策を強く批判し、10日に開かれる日米首脳会談で、為替政策が論点となる可能性が浮上した。

米大統領が主要国の為替政策を名指しで批判するのは異例であり、安倍首相や菅官房長官らが反発している。

このニュースについて、朝日、読売、日経、産経が同日の社説テーマとして取り上げられていたので比較してみる。

朝日新聞の見解

為替介入が念頭にあるとすれば、明らかに事実誤認だ。

日本政府は「日本の金融政策はデフレ脱却という国内政策が目的で、為替を念頭に置いたものでは全くない」と反論。

目的は政府の指摘通りだが、そうした政策が円安を伴い、日本経済が恩恵を受けているのも事実であり、日本政府は丁寧に説明を続けていく必要がある。

起点になるのは、これまでの国際的な合意である。

昨年のG7では、各国が成長の回復に努め、中央銀行は低インフレの克服に取り組むことが確認されていると同時に、為替水準を目標にしないことや、通貨の競争的な切り下げを回避することもうたわれ、日本だけでなく欧州や米国でも異例の金融政策が実行されてきた。

日銀の政策には問題もあるとは言え、米国からの一方的な批判は筋違いであり、トランプ氏は過去の国際的な合意を踏まえるべきだ。

もちろん、現在の枠組みが最善とは限らないが、互いの利益をさらに増す提案をするような姿勢がうかがえない。

しかし、トランプ政権は二国間の貿易交渉に為替条項を盛り込む姿勢を示し、ユーロ安を理由にドイツにも矛先を向け始めた。

こうした振る舞いが続けば、国際的な経済関係が漂流しかねないかつ、米国の利益にもならないことを自覚すべきだ。

読売新聞の見解

為替相場は各国の基礎的な経済条件に基づき、市場の自由な取引で決まることを全く理解していないのではないか。

日本の為替政策が円安を狙っているとするトランプ氏の見解は事実に反し、菅官房長官が、「批判は全く当たらない」と明確に反論したのは当然である。

日銀が継続する大胆な金融緩和は、着実なデフレ脱却が目的であり、円安誘導批判は筋違いである。

そもそも、トランプ氏が問題視する現在のドル高は、景気回復を受けて段階的な利上げを実施し、日米の金利差が拡大したのが要因だ。

持論に沿わない事実から目を背け、一方的な理屈で相手を威嚇するトランプ流は危ない。

基軸通貨ドルを担う米大統領が軽々に口先介入し、市場に動揺を与えていては、世界経済に悪影響を及ぼそう。

トランプ氏は、自らの発言の重みを十分に認識すべきだ。

日本経済新聞の見解

日本は過去5年間、為替市場の介入をしておらず、明らかな事実誤認である。

大統領発言の真意は不明だが、昨年秋から為替市場でドル高傾向が強まっていることに不快感を示したものとみて良いだろう。

しかし、まず理解すべきなのは、米国経済の改善がドル高の要因という点である。

なぜなら、減税やインフラ投資など、新政権の財政刺激策が実現すればこうした動きも加速し、米利上げを一段と促す要因にもなるからだ。

米国が利上げをする一方で、日銀が緩和政策を継続していることが結果的に円安に繋がっているのも確かであるが、日銀の金融政策は米欧の中央銀行と同様、自国の経済や物価を安定させることを目的に運営されており、批判は筋違いである。

強い権限を持つ米国の大統領が為替市場や金融政策について気ままに発言すれば、金融市場の先生きに不透明感が高まるのは必至だ。

したがって、為替問題に関する発言は、財務長官などマクロ経済政策の責任者に委ねるべきである。

為替政策を巡る今回の発言の根っこにあるのは、日中等の対米黒字国が米国の雇用を奪っているという誤った認識であり、2国間の収支を強引に均衡させようとしても、雇用などの改善には繋がらないだけでなく、輸入品価格上昇などを通じて家計の負担拡大になるだけだ。

重要なのは貿易の帳尻合わせではなく、両国間の貿易や投資を拡大することであり、こうした原則について米国側の理解を促すことが肝要である。

産経新聞の見解

トランプ大統領が日本を名指しして、円相場を安易に誘導していると批判したことは、ドル高を全て他国のせいにする言いがかりである。

トランプ氏は各国の通貨安誘導が米国に不利益をもたらす見解を示し、日本批判は予想されていた面もあるが、理のない批判を悪びれずに展開することは呆れて失望する。

安倍首相が「批判は当たらない」と反論したのは当然である。

トランプ氏がこの問題を取り上げること自体、為替への無理解がもたらす口先介入妥当とも見過ごすわけにいかない。

安倍首相は今月10日の日米首脳会談で、不当な要求には応じられないという考えを明確に伝えるべきである。

足元のドル高は、利上げに転じた米国と、金融緩和を続ける日欧の金利格差拡大などに起因する。米政権のインフラ投資や減税に期待してドルが買われていることに目をつむり他国を批判するのは筋違いだ。

日本は、東日本大震災後の円高局面で円売り・ドル買いの介入を行った平成23年を最後に市場に介入しておらず、恒常的に為替相場を操作している国と同列視されるのは迷惑である。

為替相場が経済の実態からかけ離れ、契機に深刻な悪影響を与えるほどドル高が行き過ぎているというのなら、多国間の舞台で国際的に強調しながら対処すべきであり、その様な道筋を経ず基軸通貨国である米国が2国間交渉で強引に相場を動かそうとしても、市場の混乱を招くだけとなるだろう。

まとめ(個人的な感想も含む)

就任からおよそ2週間の米国内の荒れっぷりは、大方予想通りか予想より少し早いのかなと感じるところです。

今回は、各紙の共通見解部分が多くあり、一つずつ比べてみようかと思います。

  • 米大統領の「円安」批判は事実誤認

米大統領が為替介入を念頭に批判しているとことは、明らかな事実誤認であること。が4紙の共通見解であり、

読売は「為替相場のことを全く理解していない」と表現し、産経は今回のことを「言いがかり」と表現している。

各紙、この円安批判に批判的な内容で論じていることには変わらない。

では、なぜこの様な批判が出てきたのかという背景について各紙では、

米国経済の景気回復を受け、段階的な利上げを実施したことによるドル高要因であると指摘している。

さらに詳しく見ると・・・

朝日「昨年のG7では、各国が成長の回復に努め、中央銀行は低インフレの克服に取り組むことが確認されていると同時に、為替水準を目標にしないことや、通貨の競争的な切り下げを回避することもうたわれ、日本だけでなく欧州や米国でも異例の金融政策が実行されてきた」

読売「日銀が着実なデフレ脱却が目的のための金融緩和と、米国が段階的な利上げを実施したことによって日米の金利差が拡大した」

日経「減税やインフラ投資など、新政権の財政刺激策が実現する動きが加速すると米利上げを一段と促す一方で、日銀が自国の経済や物価を安定させるために緩和政策を継続した結果である」

産経「利上げに転じた米国と、金融緩和を続ける日欧の金利差拡大と、米政権のインフラ投資や減税に期待してドルが買われている」

それぞれの要因を述べた上で、米国からの一方的な批判に対して「筋違い」と指摘している。

  • 日本の反論

朝日、読売、産経は日本側の反論について述べていますが、、、

朝日は、日本政府は「日本の金融政策はデフレ脱却という国内政策が目的で、為替を念頭に置いたものでは全くない」と反論

読売は、官房長官、「批判は全く当たらない」と明確に反論

産経は、安倍首相が「批判は当たらない」と反論

各紙反論している人が違うという点である。

反論している人が別々でも安倍首相と菅官房長官は同じことを言っているのに対し、政府としての反論内容が前者2人と異なっていることに少し疑いを持った。

ただし、一個人の意見と政府全体の意見、どちらかに偏らず、信ぴょう性があるのと言えば後者の意見になるのではないのかと感じた。

しかし、日本側の反論に対して、朝日のみこの様に指摘しています。

目的は政府の指摘通りだが、そうした政策が円安を伴い、日本経済が恩恵を受けているのも事実であり、日本政府は丁寧に説明を続けていく必要がある。

日本も恩恵を受けているので、ただ反論するだけでなく、ちゃんと米に丁寧な説明を続けていくことで誤解を解いてくださいというメッセージが含まれていると感じます。

これにトランプ氏がちゃんと聞く耳を持つのかは甚だ疑問です。

  • 為替政策を巡る発言

今回の為替政策を巡る発言について、日経のみ誤った認識と大統領が発言するものではないと指摘しています。

誤った認識とは、日中等の対米黒字国が米国の雇用を奪っていることであり、為替問題に関する発言は、財務長官などマクロ経済政策の責任者に委ねるべきと大統領は口を出すべきではないと指摘しています。

しかし、ここで気になったのが為替問題に関する発言が財務長官などのマクロ経済政策の責任者

一体誰なのでしょうか?

調べてみると、現在の財務長官はスティーブン・ムニューチン氏

アメリカ金融大手「ゴールドマン・サックス」大幹部でありますが、政治経験は全く無し。

トランプ氏は、ムニューチン氏について「ワールドクラスの財政家、銀行家、ビジネスマンだ」としたうえで、これまでの選挙戦で「数百万の雇用を生む経済活性化に向けた計画をつくるうえで、重要な役割を果たしてきた」と説明している模様。

政治経験は素人でも金融に関しては敏腕な模様であるため期待するべきか否かは分からないが、この人に委ねても米国内はともかく世界経済が混乱するのは間違いないと思う。

  • 現在のドル高が為替相場の原因なら、2国間ではなく多国間で対処すべき

朝日、産経が取り上げているが、両紙視点が異なる。

朝日「過去の国際的な合意を踏まえるべきだ」

産経「為替相場が経済の実態からかけ離れ、契機に深刻な悪影響を与えるほどドル高が行き過ぎているというのなら、多国間の舞台で国際的に強調しながら対処すべき」

朝日は過去の合意に視点を置いているのに対し、産経はこれから対処すべきと未来の視点で書いている。

しかし、このまとめでは、朝日、産経、そして日経はこう締めくくっている。

朝日「こうした振る舞いが続けば、国際的な経済関係が漂流しかねないかつ、米国の利益にもならないことを自覚すべきだ」

日経「2国間の収支を強引に均衡させようとしても、雇用などの改善には繋がらないだけでなく、輸入品価格上昇などを通じて家計の負担拡大になるだけだ」

産経「その様な道筋を経ず基軸通貨国である米国が2国間交渉で強引に相場を動かそうとしても、市場の混乱を招くだけとなるだろう」

要するに、2国間交渉で為替相場を動かしても、世界市場どころか米国にもメリットが無いことを言っている。

益々、トランプ氏は何がやりたいのか理解不能である。

自国以外信用できる場所が無いとういうことはよくわかる。

しかし、米国にメリットの無いことを行うことがアメリカンファーストなのか?

そうだと思うからこのような発言が出るとは思うが、果たしてどういう結果になるのか予想できないのが本音である。

  • 重要なのは貿易の帳尻合わせではなく、両国間の貿易や投資を拡大すること

これを述べているのは、日経だけである。

そのあとにこう続けている。

「こうした原則について米国側の理解を促すことが肝要である」

要するに、次の会談(10日に予定している日米首脳会談)で為替相場の原則について米国の大統領に一から説明しなければならないということ。

小学生からの為替入門みたいなものを米国大統領に説明しなければならないというなんとも低レベルな会談なのか?

どこの国も一から説明するなんてなんとお人好しな国が多いのかと思う部分もあるが、経済に大影響を及ぼされてはたまらないので一から説明したほうが安全であると選択しそうなのが予想できる。

政治経験のない一ビジネスマンがどこまで国の舵を取れるのか、第三者から見て楽しみな部分がありますが、一体10日の会談がどういう方向で行くのか注目すべきところであります。

新聞社説読み比べ part1 ~値下げされたタクシー料金~

その日、同じテーマで論じた各新聞社の社説を比べ、分析してみる。

不定期更新のコーナー


2017年2月1日の社説テーマは・・・

タクシーの初乗り料金が値下げ

東京ハイヤー・タクシー協会及び、東京都個人タクシー協同組合は、1月30日より東京23区・武蔵野市三鷹市で初乗り料金が730円から410円に値下げされた。

新運賃は、初乗りから1.052kmまで410円となり、以後237mと、時速10km以下で90mごとに80円値上がる。

この適用により、初乗りから2km以下は実質値下げ。6.5km以上は実質値上げとなる。

このニュースについて、日本経済新聞産経新聞が同日の社説でこのテーマを取り上げていたので比較してみる。

日本経済新聞の見解

需要創造を狙った戦略的な料金改定が成功するかどうか、東京のタクシーの挑戦に注目。

そして、今回の料金改定の狙いは新規需要の創造と、需要減による収入を補うために値上げし、更なる乗客離れを招く悪循環を跳ね返すための大胆な策である。

ただし、残された課題もある。

それは、丁寧な説明だ。

今回、走行距離が6.5kmを超える料金が値上げした。

そのため、新旧の全体像を分かりやすく示す努力が要る。

そして、東京以外での都市でも需要喚起の試みに期待したい。

IT(情報技術)を活用すれば相乗りサービスの様な新機軸が可能なはずである。

更に、需要過剰と言われたタクシー業界は、人手不足で状況が変わりつつある。

働き人の模力的な職場づくりと、再編統合による個々の企業の経営基盤を強めることも必要だろう。

産経新聞の見解

初乗り料金を値下げしたことによる利用者の選択肢が広がる料金体系は歓迎したい。

しかし、6.5kmを超える場合の料金は実質的に値上げされたため、中長距離を利用する乗客が恩恵を受けるような取り組みも同時に取り入れて欲しい。

また、厳しい経営環境を打開するために多様な料金体系だけでなく、利用者本位の質の高いサービスでも健全に競い合うことが欠かせない。

近距離でも気軽に使える料金に抑えることにより、外国人観光客や高齢者の身近な足としての新規需要を期待するが、利用者が気兼ねなく乗車できるように運転手向けの教育も徹底して欲しい。

今回、これを契機に「利用者から選ばれるサービス業」として改革を進める必要があり、一例として陣痛が始まった妊婦に優先配車するサービスをめぐっては、都内在住の出産間近の妊婦の多くが事前登録をしている。

従来は規制に頼りがちだったタクシー業界も、自らの努力で苦境を乗り切る知恵が求められる。

そして、今後外国人観光客の利用増を見込み、観光案内でも使える情報端末も導入するなど、乗客サービスの向上に努めることが真の「おもてなし」につながる。

まとめ(個人的な感想も含む)

今回のタクシー初乗り料金の値下げについて両社概ねの評価をしている感じを受けました。

そして両社の共通点は以下のとおりである。

  1. 料金値下げは新規需要の開拓である。
  2. 従来、規制は供給過剰と言われてきたタクシー業界も、今後は自らの努力と知恵によって経営基盤を強め苦境を乗り切ることが求められる
  3. IT(情報技術)を活用し、乗客のサービス向上に努めることも可能なはずである。

各社とも前半は利用者目線、後半は経営者目線で述べているのが印象的であった。

個人的には、今回の値上げは東京の一部のみの実施ということもあり、実験的な要素を感じる。

今後、この施策を地方に波及できるかが焦点となる。

日経は、「東京以外の都市での需要喚起の試みに期待している」と述べている。

しかし、地方の場合は近距離よりも中長距離がメインとなる可能性が高い。

したがって、この値下げが本当にタクシーの新規需要の獲得に繋がり、収益が上がるかどうは慎重に考える必要がある。

そもそも、都内では近距離に複数の駅が存在している場所も多く幹線道路の混雑等を考えると徒歩で移動する方が早いのではと感じるが、足の不自由なお年寄り等が短距離の移動の際に気軽に利用しやすくなるのは良いことだろう。

最後に、話が脱線してしまうかもしれないが、タクシーの運転が荒いドライバーが多いと感じる。

都会でタクシーを乗ることはほぼ無いが、地方でタクシーに乗ると猛スピードでの走行や追い越し、舗装されていないとんでもない道を無理矢理走ったりするなど少し怖い場面に遭遇することもあるため進んで乗りたいとは思わない。

時間を短縮するため、料金を安くするためのドライバーの努力の賜物がこの様なことを引き起こしているかもしれないが、もう少し安全運転に努めて欲しいところもある。

そのためにも、中長距離客が気軽に利用できる料金体系等のサービス向上にも努めて欲しいと願っています。

新聞社説読み比べ part0 ~トランプ大統領令による米国の入国規制~

今回のテーマ・・・

新聞社説斜め読み

その日、同じテーマで論じた各新聞社の社説を比べ、分析してみる。

2017年1月31日の社説テーマ・・・

米の入国規制

27日米トランプ大統領が全ての国の難民の入国を制限する措置を定めた大統領令に署名した。

しかし、この署名は中東・アフリカ圏を中心に全ての国の難民の米国内入国を停止したことにより自国内だけでなく、他国からも抗議や混乱、反発が起きている。

そして、この問題は政府間だけの問題ではなくなっている。

世界中の民間航空会社も今回の署名に際しての対応に追われ、アメリカの各空港では入国拒否、出国拒否の例が相次ぎ混乱が起きている。

大統領令の署名について朝日、毎日、日経、産経の4社の新聞が31日の社説で取り上げた。(読売も入国規制が絡んでいますが、米露の連携問題が今回のテーマであるため除外します)

朝日新聞の見解

あまりにも短慮で非寛容な政策であり、人道に反するだでではなく世界の分断を招きかねない。

米政界は、トランプ政権の暴走をこれ以上黙認してはいけない。

そのためにも議会が行動すべきであり、特に上下両院の過半数を持つ共和党こそが責任を自覚するべきであり、国際社会も毅然と動く時である。

この身勝手な「自国第一」が蔓延すれば、世界の安全が脅かされる。

その流れを止める結束力が国際社会に問われている。

毎日新聞の見解

今回の大統領令は、イスラム圏に対する精神的な鎖国を思わせ、出身国で人を差別するのは論外であると同時に難民に関する命令も人道上の疑問がある。

安倍首相は、今回の件について直接の評論を避けたが、きちんと意思表示をすべきである。

そもそもテロ対策として、米国では「ホームグロウン・テロ」が深刻な問題となっており、排除の姿勢が逆に国内のテロ予備軍を刺激する恐れもある。

トランプ氏は、排除と分断により自ら「文明の衝突」のわだちにはまりこもうとしているようにも見え、米国だけでなく国際社会が不利益を被る事になる。

日本経済新聞の見解

今回の大統領令は全国民を締め出し、入国審査を待つ旅行者までも空港で足止めされたのは不当と言わざるを得ない。

そして、特定の国民の入国を拒んでも、テロ抑止には限界がある。

反米感情の高まりはテロリストの予備軍を増やし、結果的にテロ組織を利するだけであり、米国が一方的に扉を閉じることによってテロや難民の問題解決にはならない。

中東やアフリカの国々の安定を後押しし、そこの人びとの生活を向上させる和平の努力や経済開発を進めることが重要である。

しかし、トランプ氏がやっていることはテロ対策上まったく逆効果であるばかりでなく、米国の長期的な国益も致命的に傷つける。

入国規制を続ければ、米国への世界の信頼は崩れ、トランプ氏の目指す「偉大な米国」の復活どころではなくなり、宗教や民族の分断が広がり、世界がさらに危険になってしまう。

こうした自体を防ぐため。米国の同盟国の役割も大きく問われている。

安倍首相はかねてから自由の価値を共有する国々との協力を標榜してきたならば、人権に反するトランプ政権の言動こそきちんと釘を刺すべきだ。

そして、日本の難民の受け入れでも、ここままでよいのかどうかについても真剣な議論が必要だ。

産経新聞の見解

米国各地の空港で入国拒否が相次ぎ、多数の人が長時間拘束され、不快な身体検査を受けるなどの扱いを受けた等極めて憂慮すべき事態だ。

そして、事前の説明もなく、影響の大きい政策を実行するのは乱暴すぎる。

米国が開かれた国という大切な価値を損なっていることを認識すべきである。

そこまでやるのは、自らの公約に手応えを感じている面もあるだろうが、「白人優位」のような価値観の崩壊を食い止めようと、拙劣な方法に飛びついている印象が拭えない。

入国停止は、そうした国柄に背を向けるものであり、人種構成の変化という問題への対応につながるとは思えない。

やはり、暴走の現況を見直すしかない。

まとめ(個人的な感想も含む)

今回の入国規制の大統領令署名に関して、各社はこの政策は政権の暴走と各国の分断へと危険な方向につながっていると述べています。

日経と毎日だけ、安倍首相も今回の件に関してきちんと意思表示をすべきと追求しています。

さらに同2社は、米国が排除の姿勢をとることにより、「ホームグロウン・テロ」等のテロリスト予備軍を増やしテロ組織を刺激するだけでなく、米国だけでなく国際社会が不利益を被ると述べています。

ホームグロウン・テロやテロリスト予備軍に言及したことについてかなり関心しています。

他国の難民の入国を制限してもネットでは世界中繋がることが出来るので、ネットの通信規制を行わない限り今回の入国規制も小手先の大迷惑なパフォーマンスにしか見えないと感じる部分もあります。

朝日と日経は、このまま入国規制を続け「自国第一」が蔓延すれば、世界がさらに危険となってしまうと述べいます。

朝日と産経は、暴走をどうにかするしかないと述べています。

産経の方は暴走を止める方法を述べていませんが、朝日の方には議会(特に共和党)が行動すべきであると同時に国際社会も動くべきであると少し具体的に述べているところが印象に残りました。

その他にも日経だけ日本の難民受け入れにも少し述べているところもあり、そこには今触れなくても良いのではないかなと感じてしまいました。

六本木ヒルズの「ジブリの大博覧会」に行ってみた。

こんにちは。ひねくれ亡者です。

今回は、現在、六本木ヒルズ展望台『東京シティビュー』で開催されている「ジブリの大博覧会」に行ってきました。

本当の目的は違っていた。

本当は、ジブリの大展覧会を見に行くために六本木ヒルズに行ったわけではありませんでした。

本当は、「夜景の写真を撮るため」

この日は、台風の影響もあり午前中から天気が荒れ模様。

しかし、夕方以降に雨も止み晴れ間が出てきたため、台風や雨で上空にあるチリやホコリが地上に落ち、空気が澄んでいるのではないかと踏んで初めて六本木ヒルズの展望台に行こうと思ったのがそもそもの発端でした。

その夜、六本木ヒルズに行き展望台のチケットを購入。*1

その時、受付の人が「現在、ジブリの大展覧会も開催されているので、どうぞ見に行ってください」と言われたので、ふらっと軽い感じ行くことにしました。


ジブリの映画はあまり見たことないけど、スタジオジブリ関係者の気合が凝縮

夜景の写真を撮り終え、ジブリの大展覧会に寄ることに。

前半は、スタジオジブリ最新作である「レッドタートル」の紹介から始まりました。

その後、過去のジブリ映画作品ごとの新聞記事・ポスター・電車内の中吊り・原画などが展示されていました。

そこで驚愕したのが、糸井重里鈴木敏夫によるズバ抜けたキャッチコピーと宮崎駿による抜群な企画力。

ズバ抜けたキャッチコピー

ジブリの映画のポスター等には、タイトルと同時にタイトルに合わせられたキャッチコピーが書いてあります。

例として、『となりのトトロ』は、「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。」。

同時公開である『火垂るの墓』は、「4歳と14歳で、生きようと思った」。

この2つの映画のキャッチコピーは相当苦労したというパネルが展示されております。(あとは、パネルを読むまでお楽しみ。)

その他にも、『もののけ姫』は、「生きろ」。

その後公開された『風立ちぬ」では、「生きねば」

そして、『崖の上のポニョ』は、「生まれてきてよかった」。

と、キャッチコピーを読むだけで心にジーンと来るところがあります。

この様な、キャッチコピーの候補作、キャッチコピーの文字配列を展示したものもあります。

たった数文字が、人々を惹きつけられる力を感じることができます。

宮崎駿の驚異的な企画力

今回の大博覧会では、宮崎駿が直筆で書いた『もののけ姫』の企画書が展示されています。

この企画書がレポート用紙4枚の中繰り広げられるひとつの物語。まぁこれが大作!

今映画の対象とする人、具体的な物語の登場人物の性格から気持ちまでと、ほぼ映画のストーリになっている企画書を見ることができます。

「一度読んでみてください」

この企画力は並大抵のことでは出来ないということを。



実際の映画に出てくるセットやキャラクターが登場

後半になると各作品ごとの実物のセットが登場。

前半部分はほぼ撮影不可だった大博覧会も撮影可能な場所が増えていきます。

まず、最初の撮影可能スポットが『となりのトトロ』に出てくる実寸大の「ネコバス」。

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ネコバスの行き先は「六本木」となっています。

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ネコバスの車内にも入ることができます。

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ネコバスの尻尾も座り放題。


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ネコバスから更に進み、大きな城の中に入ると・・・

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そこは、天空の世界。

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展望台に現れる光との調和。まさに「天空の城」である。

一通りの展示を見終えグッツ売り場を見てから会場を後にしました。


さいごに。。。

個人的に、ジブリ作品はあまり見たことがありません。

テレビでやっていた映画を少し見たくらいです。

火垂るの墓』をちゃんと見た記憶があるような無いようなレベルなので、ジブリファンに申し訳ないくらいの知識です。

しかし、今回の「ジブリの大博覧会」は、ジブリを知らない人でも楽しめるイベント。

こういう風に企画が作られているのか。

こういう風にキャッチコピーを考えているのか。

実際に体験できるコーナも面白いね。

等と、様々な展示を見ている間、時間があっという間に過ぎていました。

予定していたバスの時間を忘れるくらいです。

正直に言うと、バスの時間なんて気にするよりも一分一秒でもこの会場に居たかった。

展望台の夜景も良かったが、大展覧会も良かったのでいつもの倍以上楽しむことができました。

ジブリの大博覧会」は9月11日(日)までの開催なので時間が無いのですが、ジブリに興味のある人・ない人も綺麗な夜景の見える展望台と一緒に見に行くのはどうでしょうか?

時間は、朝の10時から夜の10時まで営業しているので、遊びに行くのも良し。仕事終わりからも良し。夜の食事帰りに寄るのも良いかもしれません。

www.roppongihills.com

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*1:ちなみに、六本木ヒルズ展望台『東京シティビュー』のチケットがあれば誰でも見に行くことができます。

実は、非喫煙者がタバコの煙を吸うと肺がんリスクが確実!?都市と地方で分かれるタバコの問題

こんにちは。 ひねくれ亡者です。

今回、気になるニュースはこちら。


www.ncc.go.jp

2016年8月31日、国立がん研究センターは、受動喫煙による日本人の肺がんのリスクが受動喫煙がない人と比べ約1.3倍となる研究を発表した。

この結果を踏まえ、同研究センターは、他人のたばこの煙を「できるだけ避ける」から「避ける」へ文言の修正、受動喫煙の防止を明確な目標として提示した。

近年、都会では路上喫煙禁止の地域、完全禁煙又は分煙のお店、専用喫煙所の増加が目立つようになり、タバコを吸わない人が副流煙に巻き込まれることが少なくなりました。

しかし、都会から離れた地域やそのお店、職場・営業車内ではタバコを吸わない人が副流煙に巻き込まれることは日常茶飯事です。

筆者自身もタバコは全く吸いませんが、都会から離れた地方になると駅構内は禁煙でも、駅の外(しかも喫煙所と指定されていない場所)では、人通りの多い場所でも関係なく十数人規模による喫煙が普通です。

勿論、路上喫煙禁止という場所は存在しませんし、お店なども喫煙禁煙が混同しているのが当たり前のため幾ら気をつけても直接の副流煙に巻き込まれてしまうのが現状です。


そもそも、 日本ではいつから受動喫煙が注目されるようになったのか?

日本で受動喫煙が注目されるようになったのは、2000年代以降でした。

従来は、タバコを吸っている人が肺がんのリスクが高まると言われていました。

しかし、2002年の「健康日本21」において、国が、受動喫煙防止対策について取り組むと明記されました。

この取り組みは、同年施行された「健康増進法」第25条において具体的に明記されました。

健康増進法で明記された受動喫煙防止対策

健康増進法第25条では、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、喫煙者には充分な配慮を行い理解を得た上で、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を、喫煙者の正当な権利を阻害しない範囲で講ずるように努めることが望ましい。とされています。

具体的な措置として、全面禁煙が最も望ましいですが、喫煙者もタバコを吸う権利はあるので、施設内の喫煙場所は非喫煙場所を喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れ出ないように分割(分煙)する。と明記しています。

ただし、この措置は努力目標として捉えており、受動喫煙防止措置をしなくても罰則などはありません。

実際に必要な対策措置はどうなっているのか?

受動喫煙の対策は地域差によってさがあります。

ただし、職場や車の車内の状況はその職場により個人差が大きいので、今回は行政の取り組みについて見ていきます。

都道府県単位での受動喫煙防止措置

都道府県における受動喫煙の防止について明記した条例は、秋田県で2004年に制定された「秋田健康づくり推進条例」において、多数の人が多く利用する施設を設置・管理する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講じ、県民の受動喫煙防止に関する広報・啓発活動を行う。と明記されたのが始まりです。

その後、愛知・京都・神奈川・兵庫において受動喫煙防止措置が条例化されています。

その他一部の都道府県では、条例化されていないもののガイドラインが整備されていたり、受動喫煙防止措置に対する動きがある都道府県もあります。

しかし、この様な受動喫煙防止措置の範囲は、公共施設や飲食店が主であり、普段我々が歩く道路は受動喫煙の対策外となっています。

路上喫煙の対策

このままでは、道端でタバコを吸っている人の副流煙を安易に吸ってしまう危険性がある!

そのため、路上による喫煙対策に関しては市町村単位で対応することになりました。

初めて路上喫煙禁止条例が施行されたのは、2002年に東京都千代田区で施行された。

以後、全国的に至るまで路上喫煙防止条例を制定している市町村が増えている。

しかし、適用されている市町村は、一定数の人口がある場所や観光客がたくさん来る市町村が主である。

しかも、多くの利用者がいる駅周辺の一部に限られている場所が多く、住宅街などは路上喫煙禁止エリアではない場合が多い。

そして、路上喫煙防止条例が適用されていない市町村は駅前などで吸い放題である。

これでは、非喫煙者副流煙を吸ってしまう危険性もある。

これを毎日吸い続けるだけで肺がんのリスクは高まる。

タバコを吸わない人が。。。

タバコを吸うなとは言わない!非喫煙者に配慮して吸って欲しい!

勿論、タバコを吸う権利は誰でもある。

しかし、非喫煙者が喫煙者の副流煙を吸ってしまった上で肺がんになってしまうのが不純でならない。

だからこそ、喫煙者は非喫煙者の前でタバコを吸うことは、相手を将来的に不幸にさせてしまうかもしれません。

だから、非喫煙者副流煙を吸わないような喫煙所でちゃんと吸って欲しいのと、整備もして欲しいのが私の願いだ。

一部の行政レベルにおいてのマクロの部分はかなり受動喫煙対策はかなり進んでいるが、職場・家庭・車の車内においてのミクロの部分は対策するのが難しい。

マクロの部分では本当にちょっとした心遣いが両者共に過ごしやすい環境になることを忘れないで欲しい。

SMAP解散から見る元凶探しと犯人探し中心の現代

こんにちは。ひねくれ亡者です。

8月13日にサイゾーから国民的アイドルグループであるSMAP解散の第一報が出てネットを中心に波紋を呼んだ。そして、翌未明に所属事務所からマスコミ各社へSMAPを12月31日付けで解散するという正式な文書が送られた後、ニュース速報として報じました。
headlines.yahoo.co.jp


同月14日の朝からは解散の真相等がスポーツ紙を中心に報道されていますが、ここで気になったのがひとつ!


元凶と犯人探しの内容をピックアップする記事が多いこと。


この解散報道は今に始まってことではなく、昨年末から週刊誌等でスクープされ、翌年末にかけて毎日各社マスコミがトップで報道される状況が続きました。

そもそもの発端は、結成時からお世話になっていたマネージャーが所属事務所から独立するに際して、メンバー内で事務所独立派と事務所残留派が別れたこと。

しかし、今年9月までの契約が残っている状況で「解散」という選択をしてしまうと事務所にとっても多大な損害になりかねないということで、とりあえずテレビの生放送で公開に謝罪し一旦自体を収束という方向に向かわせました。

そして、契約満了が近くなった今月14日、今年いっぱいの「解散」という結論が発表された。


しかし、前回の騒動では、「SMAPのマネージャーを追い出した人は誰か?」「SMAPを裏切って事務所し媚びた人は誰か?」犯人探しをしている様な報道やネットの声も多くあり、今回の正式発表でも「解散の口火を切った人は誰か?」「誰が同調し、誰が反対した?」という、同じく犯人探しをしている様な記事ばっかり。

本当に「誰が解散したいと言った。誰か解散を同調した。誰が反対した」という犯人探しの様な内容しか出てこず正直ウンザリです。



これは、SMAPの解散だけでなく何か事態が起きた時には原因究明より必ず犯人探しを注力する場面を多く見てきた。

事件で警察が捜査の一環でやっているわけではないのに、原因究明そっちのけで犯人探しすることで何か得るものはあるのか疑問に思う。

犯人を捕まえることはひとつの「手段」であるわけで、それが「目的」と化して何がしたいのか全くわからない。

誰かを悪者にして事態が収拾され、再び同じようなことが起こらないという確証はあるのですか?

それは、単なるトカゲの尻尾きりにしか見えないんですよね。

今回の騒動もマスコミは犯人探し、事務所側が犯人や都合が悪い人を提供することにより各マスコミを操作している印象もあります。



なぜか、その様な状況になった原因はそっちのけで。



本当に、その人を犯人認定して潰せばそれで一件落着するとは思いますが、周りは尚更腑に落ちず不信感は増していくばかりだと思いますがね。(潰した当事者がそれで良いと言われてしまうと、「おぉ、そうか。」と思わざるを得ませんが…)

犯人探しの議論だけをして解散を阻止し、本来の姿に戻ることができるならそういう報道や動きは悪くないと思います。

ただし、勝手に犯人扱いされた後、無理矢理解散を阻止した後の状況の中で本来の姿に戻ることが出来るかと言うなら難しいというのが私の考えです。

これはSMAPの問題だけでなく、どこの場面でも通用する問題であると感じます。

そんなに犯人探しをして何が楽しいでしょうかね?

その時のカタルシス効果を得ているだけですよね?

また同じことを繰り返すことでカタルシス効果を得たいのならでそれで良いのなら良いのですが・・・