真面目系ひねくれニュース

真面目なんだけどひねくれた性格を持った人がひねくれた視点でニュースなどを斬る

働くことは美徳?働き方を根本から変えられるか?

こんにちは。ひねくれ亡者です。

今回は、働くことは美徳?働き方を根本から変えられるか?お話です。

radiocloud.jp

ユーザー登録が面倒な方はこちらへ
www.youtube.com


6月16日に放送されたTBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ」内でのひとコマです。

今回は「迫る参院選、気になる争点を徹底議論~雇用・賃金~」というテーマで、経済評論家の勝間和代さん(以下 勝間氏)、東レ経営研究所・主任研究員の渥美由喜さん(以下 渥美氏)をゲストに木曜デイキャッチャー山田五郎(以下 山田氏)さんで討論を行いました。


主にピックアップした議題は2点。

1.正社員と非正規社員の賃金格差は埋められるのか?

政府は賃金格差是正の「推進」のみで、具体的なものがありません。

そこで、勝間氏は「格差を違法にするべき」という意見の一方で、渥美氏は「同一労働でもやっている内容が明確化されていないので、賃金格差は無くならない」という意見です。

また、「格差が無くならないのは、130万・103万の壁があり、その中で喜んで低賃金でも働く人が多い」と勝間氏は指摘。

一方、「非正規は「有期」、正社員は「無期」という、期間と時間が結びついている」というのが渥美氏の指摘。

したがって、労働市場歪んでいき、労働法自体を見直ししないといけないという両者の意見です。




では、最低賃金の引き上げは有効なのか?という質問に対して

「やるべき」と一辺倒の勝間氏に対して、「いま日本で起きている問題は貧困の連鎖であり、教育の均等をきちんと与えないといけない」という渥美氏の意見。

国が教育にお金をかけないのは事実だが、今の平均年収になると、男は大学進学、女は就職又は短大進学という格差を生んでしまうといういうが、本人の希望も一理あるのかなと考えるなか、地方と都会で格差が出てしまうのは昔の逆戻りではないかと指摘することに納得できるが、本当にそのようなことを考えている人がいるのか?と思うと、そんなに多くないと感じる。





そして、私が一番気になったのはこの項目である。

2.働き方の変え方

現在、やりがいと収入の両立のバランスが整っていないのが両者の意見である。

そして、「やりがいを餌にして長時間労働を強いられている」という山田氏の指摘に対して、「それは政府の姿勢の問題」と勝間氏は言っている。





では、どうすれば「やりがい・お金・労働」のバランスが整うのかという質問に対して

勝間氏は、「生産性という概念が大事。付加価値を付けられるものであり、付かないものはやめるべき。そういうことをやる経営者をクビにするべきであり、そういう経営者のもとで働いてはいけない。」と指摘。

山田氏も「仕事のための仕事を作る風土がある」と指摘。

渥美氏も「制度と職場風土(労働を美徳で甘えている人)の問題。日本の美徳をずっと引きずり、やめようと思っても長時間労働で特している人はやめられない」と指摘。





私の視点から見ても、「労働が美徳である」と考えている人は多くいます。

それは、高度経済成長時代だった1960年代からほぼ変わっていません。80年代後半にバブル景気があり90年代からのバブル以降ずっと経済は低迷しています。しかし、高度経済成長期、バブル景気を経験した人にとっては、また同じような時代が来ると勘違いしている人も多くいるようです。

思考停止どころか、過去の依存が現在も続いていると勘違いしているのか、随分お花畑な脳をしていると感じます。ただし、言い方を変えるとたまたま運が良かった時代。これはこれでいいのかなと思いますが、今がそうですか?と問いたくなるところです。






最後に、現実的に出来ることはないのか?という質問に対して

勝間氏は、「経営者単位で長時間労働をしない。部下は、そういう場所の上司で仕事したいという異動願いを出すか、そういう会社へ行くべき」指摘した。



私自身、一番引っかかるのが最後に放った勝間氏の指摘である。



・経営者単位での長時間労働はしない
労働を美徳としている人たちにそれを求めるのはナンセンスな話である。終盤で山田氏が指摘したように「家に帰りたくない人もいる」という現実は他の労働者ではどうしようもできないことである。





・部下はそういう場所の上司で仕事をしたいという異動願いを出すか、そういう会社へ行くべき
最初に、前述で勝間氏が「付加価値がつけられない経営者のもとで働いてはいけない、経営者単位で責任もって長時間労働をしない会社に行くべき」という指摘は、正直、現在の就職・転職活動でその様な会社を見つけることはほぼ不可能であると感じます。

折角、就職したのに、3年以内の離職率は約3割であり、理由はともあれ、仕事の探し方が悪いのではなくシステム自体に問題ありという部分も拭えません。

面接や対応で見抜けることも出来ますが、求職側は短期間勝負の中、就職できないと周りから置いていかれてしまうというプレッシャーや生活困難になってしまうというプレッシャーと求職者に悪いことをさせるとネットとかに書き込まれ風評被害になりかねないといこと企業側によるお互い妥協の産物として行っているのが今の就職活動であります。

その中で、勝間氏が指摘しているような場所に見つけるのも困難であり、むしろ、働いてみないと分からない部分が多すぎるのも多過ぎる現実があります。

これを最初の時点から見つけろというのは、現在のシステムではほぼ不可能な話です。

嫌だったら、ニートかフリーターになりなさいという遠まわしのメッセージです。





・もう一つ、長時間労働をしない上司の下で働きたいと異動願いを出すべきの指摘には、少しズレを感じる部分があります。
まず、そういう場所で働きたいという「権利」はあるので声を大きくして言うべきと思ったのですが、実現云々の問題よりこの人が会社に楯突いたとういレッテルが貼られてしまって、今後の人生に影響が出かねないという問題に直面してしまう。

都会の単身者ならまだやり直し等が効くかもしれないが、仕事が少ない地方在住者や既婚者等でギリギリの生活が掛かっている人にとっては、その一言が致命傷に発展しかねません。異動したいという一言で会社をクビになってしまうのも希に存在するが、今までの積み上げた実績・信頼を一気に崩してしまうのはあながち間違っていない感じます。

自分の人生を選ぶか、家族の生活を選ぶかの二択なり、どっちがリスクが少なく生活できるのだろうかと考えた場合、後者を選択する人が多いのではないかと考えます。だから、いくら長時間労働になり不利な要求をされても我慢して働く人が多いという矛盾が発生しているのです。





勝間氏は現在フリーで活動している人だから言えることかもしれないが、異動・転職というカードが普通のサラリーマンでは大きなリスクを背負った戦いになることを忘れないで欲しい。ただし、そのような考えを持ち、声を大きくすることが大事だということは納得できます。

ただし、色々と得をしていている人が多い中、そのような時代が本当に来るのかな?

年齢・年数の権力が非常に強い中では、ここ数十年無理かなと感じています。







真面目で長々と書いてしまったので、最近よく行く場所の写真を貼っておきます。
f:id:motorman-5joint-hktnandmkst:20160617154125j:plain